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久しぶりにワイン関係の話です。ワインを注ぐグラスの話です。でも思わぬ釣りとのつながりがありました。
経緯としてはコロナ前に友人と飲食した際に、グラスの話になりまして、表題の話を伺ったので調べてみました。
クリスタルの綺麗な輝きは、鉛(Pb)のおかげのようです。そう。皆さんが釣りに使うあのくすんだ金属色の錘の主成分ということですよ。
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クリスタルガラスとは
一般的には、珪砂(SiO2)、カリウム、ソーダ灰というガラスの主成分に、酸化鉛(PbO)を添加して形成される鉛ガラスの一種を指す。 ガラスの製造時に酸化鉛等を添加することでガラスの溶解温度が低く抑えられ成形もソーダガラスに比べて容易になること、また透明度と屈折率が高まり水晶(クリスタル)のように輝く透明なガラスになることから、通称として「クリスタル」と呼ばれる。
とのことです。
この一酸化鉛(PbO)が鉛ということですね。
ではPbOの性質とはどういうものでしょうか。
PbOとは
ja.wikipedia.org古くから顔料として用いられてきた。また、クリスタル・ガラスの製造にも用いられる。 皮蛋(ピータン)の熟成を促進する黄丹粉の主成分も一酸化鉛である[1]。
水への溶解度 不溶 g/100 mL ( ℃)
とのこと。
水には溶けないので、そのままでは害はなさそうです。ピータンに鉛が含まれているとは意外でした。
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鉛中毒とは
ja.wikipedia.org鉛の摂取を原因とする中毒のことである。鉛は食物にもごく微量が含まれており、日常的に摂取されている。そのような自然由来の鉛では、急性の中毒症状を起こす量を摂取することは通常において考えにくいものの、鉛に汚染された食品の摂取や鉛含有塗料片の経口摂取が起きた場合には鉛の排泄が追いつかず体内に蓄積され、健康に悪影響をおよぼす。
ということですね。日常摂取の範囲では気にする必要はなさそうです。また無機化合物よりも有機化合物のほうが危険なようですね。
鉛中毒に関してはワインの記事も載っていました。
古代ローマ人は頻繁にワインをたしなんでいたことから、ワインの製造器具に鉛が多用されており、醸造過程で鉛が多く混入してローマ人の健康をむしばんだ可能性も指摘されている。実際、ヘルクラネウムで発掘された古代ローマ人の人骨からは高濃度な鉛が検出され、鉛中毒の被害が疑われた
なるほど。製造工程なんですね。
またこんな記事もあります。
そのため完熟させたブドウの果汁(ムスト)を、鉛でコーティングされた青銅器で煮ることによって得られるサパ (sapa) と呼ばれるシロップが、甘味料として好んで作られていた。
このシロップは殺菌効果もあったことから、当時ワインの甘み付けや果物の保存に一般的に使われていた。
現在は、酢酸鉛を甘味料として使うことはありませんので心配なさそうです。
実際に、作曲家ベートーヴェンが、その晩年ほぼ耳が聴こえなくなった原因として、ベートーヴェンの毛髪から通常の100倍近い大量の鉛が検出されたことから、鉛中毒という説がある。彼は生前年代を指定して飲むほどワインを愛飲しており、当時のヨーロッパでは、ワインの醸造過程で甘味料として酢酸鉛を含むサパなどの鉛化合物類が頻繁に加えられていた事から、鉛入りのワインを大量摂取する形となり鉛中毒を引き起こしたとされる。
ベートーベェンもワイン好きだったようですが、耳が聞こえなくなったのは病気かと思いましたが、これが原因だったようですね。
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釣りの錘の主成分
はい。鉛(Pb)です。
鉛中毒が心配されるということですね。金属鉛の溶解性はどうなんでしょう。
他の金属と比べると錆びやすく、見かけ上すぐに黒ずむが、酸化とともに表面に酸化皮膜が形成されるため、腐食が内部に進みにくい。また、多くの無機塩が水に不溶であるため水中でも腐蝕されにくい。
鉛は害があるため人体への影響や水質の悪化などが懸念されている。このため、最近では、害の少ない亜鉛製や鉄製のエコオモリ[1]もできていて、鉛以外の金属で作るようにしているメーカーもある。また、鉛より軽い金属で出来たオモリでも、形を工夫すれば鉛以上の効果を発揮できる。エコオモリが増えてきている。
水道管にて使われていた歴史もありますし、そう心配するほどのものではなさそう。
ただ、酸性雨などの影響もあって、皆無ではないのかもしれません。
でも釣り具メーカーさんの努力もあって、鉄錘なども増えてきていますしね。
一部船宿さんでは、非常に嫌がられますが理解いただきたいものです。
無鉛クリスタルガラスとは
無鉛クリスタルガラスとは記載の通り、PbOを使用していません。チタン化合物やバリウム化合物のガラスへの添加によって透明度、輝きを実現しています。とはいえ、一般的な有鉛のクリスタルダラスよりも透明度や屈折率が劣るといわれています。食洗器OKなものも多いです。
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リード(鉛)クリスタルガラスを買うには
基本大手メーカーはスタンダードがグレードのグラスについては無鉛化済みで、新品では購入できません。メルカリ、HARD OFFなど中古品を探すのがよいかと思います。
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持っているワイングラスはクリスタルか調べてみた
ロガスカ ラディコングラス ビッキエーレ
1665年創業、スロヴェニアのロガスカ社にラディコンが特注したグラス。
一般的にクリスタルガラスの成分には、透明度や輝きを増すために、全体の25%以上に酸化鉛が使用されています。
このラディコングラスは、酸化鉛などの金属の使用を最小限に留めた手吹きのグラスで、非常に軽く、 ガラスの透明度は少し低いものの、逆に衝撃に耐えうる弾力性があり、割れにくいのが特徴の1つ。
鉛入っているんですね。入っていないかのような透明度でした。^^;
なかなか入手しにくいグラスのようですが、運よく1脚入手しましたので、ピノ・ノワールなどの普段使いに使っています。
リーデル
リーデル社の最高級ワイングラス、ソムリエシリーズなどに使われているクリスタルグラスは酸化鉛を含む鉛クリスタルです。
私もソムリエは高すぎて(高いし、割ったときの絶望感が怖い)持っていませんが、ヴィノムシリーズはマシンメイドながらリードクリスタルでしたので、多少所有しています。青みがかかったような輝きと、指ではじいたときの音が違います。
シャルドネ、ボルドー、オレゴン・ピノ、プレステージシャンパーニュなどを所有しています。
ツヴィーゼル
ハンドメイドの上位モデルでも無鉛クリスタルガラスのようですね。
ブルゴーニュの普段使いを所有していますが、当然無鉛です。
現在はあまり使っていません。割れにくいので来客時に活躍します。
その他
試飲会でももらえるようなものは無鉛でしょうねぇ。
RONAもワインとセットでいただきましたけどまったく使っていません。
最後に
貴重な現在所有しているリードクリスタルを大事にしていきたいと思います。やはり口当たり&コスパからリーデルヴィノムが飛びぬけている感じですね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。